ヒステリー(hysteria)

はい、今日はヒステリー(hysteria)の話です。

これは、現実に問題となっていることを解決することができず、心の中に葛藤を生じて、その葛藤のために自我の安定を保つことが困難な状況なり、自我の防衛機制の一つとして問題に直面することを回避する結果、意識が消失したり、手足が麻痺したり、声が出なくなるなどの症状がでます。
受験前になると失声になる人や、急に目が見えなくなる人、学年に1〜2人くらいいませんでしたか?
こうした症状をヒステリーと呼びます。
ヒステリーの際の記憶の消失、麻痺、失声などの症状は脳の神経学的機能の器質的障害の結果ではなくて、心理学的障害であり、その症状は回復可能なものです(うーん、簡単に言うと脳に問題はないよ!治れば支障なく生活できますよ!ということ)。
症状は大きく分けて2つ。
意識消失、もうろう発作、記憶障害幻覚といった精神機能の変容が生じるものを解離症状と呼びます。これが1つめ。
で、2つめは、痙攣発作、運動マヒ、感覚マヒ、痛み、近く変化など運動・感覚機能の変容が生じるものを転換症状とよびます。
解離症状を示すヒステリーを解離型ヒステリー、転換症状を示すヒステリーを転換型ヒステリーと呼んで区別します。名前、そのまんまですけど(苦笑)
最近ではヒステリーという言い方もなんだか良くないとかであんまり使われなくなってきているようですが…、そんな感じです。
なんだか、分かり易く簡単にまとめようとするけれど、うまくまとまらないなー;
ヒステリーの際の自我防衛機制抑圧回避ですが、このような防衛機制をするのは自我機能が未発達人です(この未発達って表現が嫌いなのですがそう言われています)。
ヒステリー患者によくみられる性格という意味でヒステリー性格という用語も用いられ、未熟、自己中心的、演技的、自己誇示的特徴が強い性格をさしています。
昔は後弓反張といって全身を硬直させ、強い後屈姿勢を転換症状として示すヒステリー性格をもつ
症例が典型的なヒステリーとされていたけど、最近はそこまで激しい人は稀なようです。
でも、意識消失、もうろう、幻覚、失立、失声、難聴、痛み、しびれ、マヒなどは多い症状です。
性格特徴も典型的なヒステリー性格というものではなく、勝気、負けず嫌い、他人の目に敏感、頑固といった性格であったり、逆に芯がなく頼りない、依存的、ナルシシズムが強い性格であったりすることが多いようです(オーノー耳が痛い!!/笑)。
蛇足ですがリストカットをする人はヒステリー傾向が強い方が多いです。
そしてさらに関係ないですが、「ナルシシズム」と3回言ってみて下さい。
…どうも私はつまるのですが(笑;)

さて、終わりに。
ヒステリーの治療ですが薬物療法精神療法です。
抗不安薬、少量の抗精神病薬を使用します。
精神療法としては自我機能が保たれている人には洞察を得ることを促す精神療法を、自我機能が相対的に不十分な人には当面やらなくちゃいけない仕事とか、学業などについての支持的な精神療法を行います。
ヒステリーは身近にあるもの…というか、身近にその傾向が強い人は沢山いるので、なんとなくつかめてもらい易いのではないかと勝手に思っていますが、どうでしょう?