バウム・テスト(Baumtest)②

はい、今日の勉強記録は、昨日に引き続きバウム・テスト(Baumtest)についてです。
絵、描いて下さいましたか?
まず、バウム・テストについてのあらましを。
スイスの心理学者コッホによって創始された投影法性格検査です。実施が簡単なので、病院の臨床の場や学校、各種の教育機関で使われています。
他の描画法と同じように、さまざまな年齢層に対して使えますし、また緘黙のように言語表出が難しい子どもにも、知的能力や発達の診断に用いる事が出来るというメリットがあります。
ちなみに“バウム”とはドイツ語で“木”という意味。
バウム・クーヘンというお菓子はご存知の方も多いはず。結婚式の引き出物でもよくもらいますよね(バウム・クーヘンの年輪のように結婚生活の年も順調に重ねていきます・・・というような思いをこめて引き出物にするようですが)。


と、ちょっと話がズレました;;;元に戻します。
A4の用紙と鉛筆を用意して、「実のなる木を1本描いて下さい」とセラピストが教示して絵を描かせ、その図からその人について解釈していきます。
さて、ここからが新しい内容。
バウム・テストでは以下のポイントに従って判断していきます。
①絵がどの位置に描かれているか・・・空間象徴を見る。
②木の周りの付属品。環境などはどうか。
③木の種類は何か。
④木の特徴はどんなか。
⑤描き方の特徴はどうか。
⑥視点はどこにあるか。
⑦幹・枝・葉・実の表現の仕方はどうか。
・・・以上のようなところを見ていきます。
長くなるので①と②、③と④など、各項目を後で作るので見て下さい(恐ろしく長い内容になりそうなので)。

治療者の前で描かれるのが基本で、宿題として持って帰るにしても、誰がその絵を見るか(もちろん心理療法ではセラピスト)という事もちゃんと頭に入れておかせる必要があります。
急にイメージが噴出してくるような場合には描画をやめた方が無難で、そのような場合は急激な退行(困難な状況や情緒的混乱状態になった時、行動が発達上の初期の状態に戻ること。赤ちゃん返りって言うと分かりやすいですかね?)を見せる事があります。
神経症で極度の不安を抱えている場合や急性期の統合失調症の患者にも絵画療法は避けるべきです。具合が悪くなります。
被検者の負担が少なく、短期間の内に資料を集める事ができ、短期間で繰り返しやってもらうことも出来る点で、有効的な心理検査です。
欠点としては、簡単であるがゆえにむやみやたらと使用される点や、多義性を含んでいるので、検査者にとっては解釈が難しいことも上げられます。
何回も、何枚も絵を見て解釈した人には同じ特徴を描いていても違いが分かりますが、あまりやったことがない人だと解釈を誤ることもしばしば。解釈はあくまでも仮説。断定せずに推測を並べて大きく捉えること。
初めての方が多いかと思いますけど、参考程度にして下さいね。
では、ご自身の絵を見ながら参考程度に項目を追って自分の絵を解釈して見て下さい。
何度も言いますが、本当に参考程度に。
私も、100枚はバウム・テストの絵を見てきていますが、やはり専門のセラピストの方、教授などの分析のようにうまく行かないですからね;;;(当たり前だけども)
特に自分の絵についてはなかなか自分では解釈できないものです。